たこ焼きぱたこの名前の魔法 第2話(全5話)
こんにちは。
ぱたこ母です。
「たこ焼きぱたこの名前の魔法」第2話ではパピーぱたこが登場します!
今回も最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
第1話がまだの方はこちらからどうぞ
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(第2話)
この日も朝から大いそがしでした。
通勤前に朝食を食べに訪れた人たちを見送った後、予想した通りに届けられた木イチゴでマフィンを作りました。
焼きあがった頃に、朝の運動を終えたおじいさん、おばあさんたちが休憩にやってきました。
そして、二度目のマフィンが焼きあがる頃には、家事を終えたママさんたちがおしゃべりにやってきました。ママさんたちは子どものおやつにマフィンをたくさん買っていってくれたので、木イチゴのマフィンはすべて売り切れました。
お店の看板をクローズにしてドアにカギをかけると、コムギは食パン三枚と透明なガラスの小皿に入れた砂糖水、そして自分用に一つだけ取っておいた木イチゴのマフィンを持って裏庭へと行きました。
木でできたベンチの上で三羽のカラスが毛づくろいをしています。コムギがそれぞれのカラスの前に食パンを一枚ずつ置くと、それをくわえてカラスたちは自分の巣へと飛んで行きました。
ベンチの隣に咲いているラベンダーの花の周りを飛んでいるミツバチたちには砂糖水をプレゼント。
木製の大きなテーブルの上ではスズメたちが楽しそうにダンスをしています。コムギはイスに腰かけると、木イチゴのマフィンを半分に割り、一方を細かくくだいてスズメたちの前に置きました。スズメたちは大喜びで、チュンチュン歌いながら美味しそうにそれをついばみます。その様子を見ながら、コムギも残り半分のマフィンを頬張りました。
あとは明日のパンの仕込みを終わらせれば今日の仕事は終わりです。線路の向こう側の空を流れる雲を眺めながら、コムギはゆっくりと木イチゴのマフィンを味わいました。
その日の午後のことです。
家に帰って庭でのんびりお昼寝をしていると、聞きなれない子犬の声が近づいてきました。コムギは顔を持ち上げて、声のする門の方に目をやりました。
門が開くと、ママと一緒に入ってきたのは虎毛の秋田犬の子犬でした。子犬といっても、体の大きさはコムギとそんなにかわらない、大きな子犬でした。
その子犬がしっぽをパタパタふりながら、コムギ目がけてとっ進してきます。
あっ、と思った時には子犬はコムギに体当たりし、はね飛ばされて目の前を転がっていきました。
それでも子犬はめげずに、今度はコムギの顔をペロペロなめ始めました。
コムギがあっけに取られていると、ママがかがみこんで子犬の頭をなでました。そして、もう一方の手でコムギの頭もなでながら、
「今日からコムギの妹にしてあげてね。」
と言いました。
「名前は『パタ』、よろしくね。」
(茨城宿犬舎時代の生後2カ月のぱたこです。この頃から愛嬌良し! いつもしっぽをパタパタと振っていたので『ぱたこ』と名付けました。)
パタはどこに行くにもコムギの後について来ました。コムギはそんなパタが可愛くてしかたありませんでした。
でも、心配なことがあります。
それは、パン屋さんには連れて行くことができない、ということです。
食べ物の名前ではないパタは、コムギのような特別な力を持っていないので働くことができません。明日の朝、パタに見つからないようにどうやって出掛けようかと、コムギは頭を悩ませました。
でも、そんなコムギの心配は、美子ちゃんが学校から帰って来たらあっさり解決しました。
可愛い子犬のパタに大はしゃぎの美子ちゃんは、「パタちゃん、パタ、パタ」とよんでいるうちに、コムギのことを「コム」と呼んだのです。
その瞬間、コムギの特別な力は薄らいでいき始めました。
そして、もう一度「コム」と呼ばれると、頭の中からパンのレシピが消え、パン屋さんの場所もどこだったのか分からなくなってしまいました。
コムは焦りました。
明日からの仕事をどうしよう。
通勤前に寄ってくれる人たちの朝ご飯は?
運動後のおじいさん、おばあさんのおやつは?
ママさんたちのおしゃべりタイムのおともは?
みんなコムギのパンを楽しみにしてくれているのに。
第3話に続く
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ついでにこむぎの犬舎時代の写真もお楽しみください!
先ほどのぱたこと同じ生後2カ月ですが、もう既に耳が立っています。
この立っている耳の写真をインスタで見て、この子は一般的な秋田犬よりも小ぶりであると判断し、ぱたこの妹分として我が家に迎え入れたいと思いました。
小ぶりな子なら、私一人でもぱたこと一緒に2頭同時に散歩に連れて行けると考えたからです。
今日もお付き合い、ありがとうございました。
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