たこ焼きぱたこの名前の魔法 第5話(最終話)
こんにちは。
ぱたこ母です。
「たこ焼きぱたこの名前の魔法」第5話は最終話です。パタコの働き先を突き止めたコム! コムの心情の変化にご注目ください。
今回も最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
第4話がまだの方はこちらからどうぞ
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(第5話)
二足歩行になって角を曲がったパタコは、まるで踊るようにスキップをしながら、楽し気に進んで行きます。
その姿を見て、コムはなぜだか寂しい気持ちになりました。
パタコが歩く道はなんだか見なれた景色のような気がしてきました。畑の向こうの線路を電車が走って行きました。
パタコがはずみながら一歩進むたびに、コムはうらやましくて胸が締め付けられました。
働くよりも、家でのんびり自由にしていた方がずっと幸せなはずなのに、なぜ心が苦しくなるのでしょう。
目の前を真っ黒なカラスがピョンピョン飛び跳ねながら横切りました。畑を飛び回るミツバチに目がいきました。電線に止まって歌っているスズメたちの声が耳に届きました。
コムの胸は懐かしい気持ちであふれ返って熱くなりました。
パタコは見覚えのある駅前のお店へと入って行きました。予想していた魚屋さんやお寿司屋さんではなさそうです。
コムは店の手前の植え込みの陰に隠れて見張りを続けました。
けれど、いくら待ってもいっこうにお店が開く気配がありません。
いいかげん待ちくたびれた頃、やっとドアが開き、パタコが大きなのぼりを持って出てきました。
そこには『たこ焼き パタコ』と書いてありました。
まず、ママさんたちがやって来ておしゃべりしていきました。
そして、グランドゴルフを終えたおじいさん、おばあさんがお昼を食べに来ました。
コムはこぼれ落ちそうになる涙をぐっとこらえ、無意識に裏庭へと行きました。
木のベンチにはカラスが三羽。
その横で咲き誇っているラベンダーの周りを飛び回るミツバチたち。
そしてテーブルの上でダンスをするスズメたち。
みんながいっせいにコムを見つめました。
コムは全てを思い出しました。
ここはコムギがパン屋さんをやっていたお店です。
イスに腰掛けて、線路の向こうの空を流れる雲を眺め、やっぱりもう一度働きたいな、とコムは思いました。
もう一度働くための作戦をコムは考えました。
たこ焼きには小麦粉も必要です。だから、コムが『コムギ』に戻ればパタコと一緒に働くことができます。
そのためにはどうすれば良いか。
その答えは簡単でした。
美子ちゃんが学校から帰って来て、コムを呼びます。
今までだったら、『コムギ』と呼ばれないためにすぐ走っていきましたが、コムは寝たふりを続けました。
『コム』と呼びながら美子ちゃんが近づいてきます。
『コム、コム、コムギ』と。
コムギはのっそりと頭を持ち上げ、美子ちゃんの顔をペロッとなめました。
ここはコムギとパタコのたこ焼き屋さん。
パンのレシピも全て思い出したコムギは、今日もパタコと一緒にはりきっています。
カラスが届けてくれたキャベツを使ってたこ焼きの仕込みが終わると、焼くのはパタコにおまかせ。
スズメからのブルーベリーとミツバチからのハチミツで、コムギはスコーン作りに取りかかります。
仕事が終わった後に裏庭で食べる分も忘れずに作ります。
パタコと一緒に食べるのを楽しみにしながら。
『たこ焼きぱたこの名前の魔法』 終わり
このおはなしの舞台をイメージする元となった散歩道、ぱたこの大好きな田んぼコースです。
ぱたこが2歳3カ月、こむぎが1歳4カ月の時の動画です。
この頃のこむぎは全く言う事を聞かず、散歩が一苦労でした💦
田んぼの脇を線路が走っていて、その向こう側には小さな古民家パン屋さんがあります。
ずっしりとした木の扉の下の方には、こむぎの鼻の大きさほどの木目の穴が開いています。
その穴がある位置はちょうどこむぎの鼻くらいの高さで、あたかもそこからこむぎがパン屋さんとコンタクトをとっているようで、イメージが膨らみます(笑)。
『たこ焼きぱたこの名前の魔法』最終話まで読んでいただき、ありがとうございました。
一言でも感想を聞かせていただけると嬉しいです!
次回は、我が家の初代秋田犬、白毛のリーフィーが登場する『リーフィーは穴を掘る』をお届けします。
↓↓↓ 正しくは『リーフィーはボクの犬』、こちらからどうぞ!
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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